EC市場拡大の背景を考える

2016-05-10


今号トピックス

1. 中国EC市場拡大の背景を考える

2. 5/24(火)、26(木)、31(火)自主セミナー

テーマ: 2016年「越境EC」のゆくえと日本企業の対策


1. EC市場拡大の背景を考える

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【店舗があってもネットで買うのが中国】

中国のEC市場は、2015年で3.5兆元(約60兆円)を超え、世界一だ。人口の多さもあるが、何と言っても「EC化率」の高さが際立っている。小売市場の20%近く(諸説あり)がEC化しており、日本の4.4%(経済産業省)、アメリカの6%を大きく上回っている。なぜ、中国ではこんなにEC化が進んでいるのか・・・まずは、人口や国土面積に対しての小売店舗の数の少なさがあげられる。ざっくりとした計算だが、人口では、日本はおよそ100人当たりで1店舗であるのに対し、中国ではその3倍で300人で1店舗だ。また、面積でも、日本はおよそ1㎢あたり3.7店舗に対し、中国では0.5店舗。つまり、日本ならちょっと買い物にお店に行けるが、中国ではそうはいかないということだ。

ただし、上海や北京をはじめとした都市部に行ったことがある人であればこの説明は納得できない。中国の都市部の小売り環境は、日本の都市と大差はなく、買物は物理的にはなんら問題なくできる環境にあるのだ。

とはいえ、ECが盛んなのは、リアルな買い物環境が不便な内陸の田舎ではなく、やはり都市部なのだ。どういうことなのか・・・

【技術のスキップによる体験の差】

「中国人は合理的だから」、「店舗は偽物がありがち」、「店員のサービスが悪い」・・・などの理由もあるかもしれないが、最も大きな要因の1つは、『リアルな店舗への「情緒的なこだわり」が育成されないままEC化が進んできた』ということではないかと考えられる。90年以降の急速な経済発展の中で、先進国が20~30年かけて発達してきた技術や文明の進歩、具体的には、例えば、パソコン、電話、車、流通チャネルなどは、先進国が踏んできた順番通りの体験をしていない。例えば、パソコンなら、デスクトップ⇒ラップトップ/ノートブック⇒タブレットという順番で概ね多くの先進国は利用しており、それぞれに何かしらの記憶や情緒感があるのだが、中国では、デスクトップ⇒タブレット/スマホと中抜きになっているのだ。流通チャネルに関しても似た様な感じだ。

日本では、小売りの主役は、百貨店を皮切りに、スーパーマーケットの時代、次いでGMSやSC、さらにはディスカウントショップ、コンビニ、ドラッグストア・・・と一定の時間をかけて移り、上述したパソコン同様、利用者は何かしらの記憶や情緒感と結びついていると言えよう。そのため、「変化を嫌う」、「前例を踏襲する」傾向が強いせいもあろうが、多くの日本人は、ECで買ってもいいと思っていても生活スタイルと密接につながっているリアル店舗での購入にこだわりを持っておりそうやすやすとECにはスイッチできんないように思われる。対して中国では、上記のような販売チャネルの変化をかなりの短期間で体験したため、の都市の市民は各チャネルに対して思うところは少ないのではないか。そのため、ECでの買い物にスムーズに移行していると言える。

2. 5/24(火)、26(木)、31(火)自主セミナー

【テーマ】2016年「越境EC」のゆくえと日本企業の対策

EC大国・中国には、最近、とりわけ越境ECの急成長が注目されます。2014年は中国の「越境EC元年」と言われており、昨年(2015年)は訪日観光客の「爆買い」の勢いはついに越境ECに波及しました。マツモトキヨシで中国人客に爆買いされる日本国内の商品がそのまま「越境EC」経由で、中国に流れていました。特に11月11日の独身の日、いわゆる「通販祭」においては1日にして1兆8000億円もの取引が実現され、世界で話題となりました、実はその中で一番人気を集まったのは、他でもなく越境ECを通じて中国で売れるようになった「日本製」の商品です。多くの日本企業は、この状況をみて参入を図っています。中国の「越境EC」活用に躍起になったが、・・・ところが、この4月から、中国政府は、越境ECの新税制と商品リストを公表し、状況は一変しました。まさに日本企業が企画書を作っている間に中国はもう大きく変わってしまったわけです。さあ、今年の越境ECがどこに向かっていくのか?昨年の中国人爆買い対応に続き、今年は日本企業はどういった戦略で対応すべきでしょうか?

抽象的なマーケティング理論ではなく、具体例を通じて、実践的な内容を中心に話します。

日本の論理をそのまま中国にあてはめると、こんなにも違っています。徐のトークが炸裂します。止まりません!!既に越境ECでビジネスを始めているご担当者だけでなく、自社商品を中国人の中でもっと認知拡大をしたい企業様も必見です。是非ご参加ください!!

【開催日時】

一回目 5月24日(火)  14:00~16:00
二回目 5月26日(木)  14:00~16:00
三回目 5月31日(火)  14:00~16:00
【開催場所】東京都中央区日本橋久松町11-6日本橋TSビル5階会議室
【講師】中国市場戦略研究所 徐向東 北村光晴 
【参加費】一人5,000円(税込、資料代込)
【お申込方法】
このメルマガに対して返信する形、あるいは直接 info@cm-rc.comにメールを送れば申し込みできます。

▶申込項目◀
   ①ご希望参加日
    今回は2回開催を予定していますので、ご希望日を
    必ずご記入ください。
    なお、ご希望の参加が重なる場合は調整させて頂きたいので
    両日とも参加可能な方はお知らせください。     
   ②会社名、部署名、氏名、電話番号、メールアドレス
    複数でご参加を希望される場合は、代表者の方がわかるようにし、
    全員分の①.②をお知らせください。
 ※弊社自主セミナー問い合わせ先:
   メール : info@cm-rc.com
   電  話 : 03-5651-8106(8107)

 ※お申込人数が多い場合は、1社代表者様お1人にするなどとさせて頂きます。ご了承くたさい。

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