「爆買い」から「越境ビジネス」へ、中国の変化についていけますか?

2014-11-13

★爆買いから越境ビジネスへ、中国の変化についていけますか?

11月11日の中国「独身の日」通販祭は終了しました。11月11日朝零時から夜24時まで、アリババ社傘下Tモールの取引成約額は912.17元。12日の為替レート1元=19.3円で計算すると1兆7600億円を超えています。2兆円にかなり近づいています。

昨年のTモール通販祭の1日の取引額は571億元だったのでそれより6割増になっています。もう一つの数字は、一日通販祭の宅配依頼件数です。全部で4.67億件だと言われています。言ってみれば4.億6700万人のお家かオフィスに商品を届けているとのことです。

実は、今回の通販祭で一番大きな変化は、海外の出店会社が積極的に参加したことです。約5000ほどの海外からの出店者が今回の通販祭に参加しています。特に今年は、日本商品の爆買いが中国で話題になっていますので通販祭の際に、日本から直接買える商品が「目玉商品」として大きな関心を呼んでいました。

■実は、その前にもう一つ、中国人にまつわる「1兆円」を超えた消費額があります。日本政府観光局発表した今年1~9月に訪日外国人旅行者に関するデータのなか、今年1~9月の訪日外国人の消費額の国・地域別では、中国は1位でなんと1兆1016億円にも達しています。

今年1~9月に訪日外国人旅行者数は前年同期比48.8%増の1448万人、そのうち、中国人が前年同期の2.1倍の383万人と最も多い。さらに外国観光客の消費額2兆5967億円のうち、中国人は全体の42.4%も占めているとのことです中国人観光客の1人当たり消費額でも28万7000円で1位。全外国人の平均17万9000円を大きく上回っています。

「中国新聞網」など中国国内メディによると、10月1日から7日の中国国慶節(建国記念日)の1週間に、訪日中国人観光客の消費額は1000億円にも上っています。

通販祭で実は取引額が一番多いのは、広東省、浙江省、上海市と北京市です。訪日旅行の中国人も、こうした沿海の豊かな地域からくる方が一番多いです。

■先日弊社に面接に来た、中国語べらべらな日本人女性は国慶節の間に、新宿の百貨店で中国人観光客の通訳をやっていて大忙しいでした。彼女に「何が一番印象に残ったか」を聞くと「とにかくみんながスマホをみている」と言われました。中国人は来日前に、知人・友人のクチコミなどからの「買いものリスト」情報を確保しており、スマホを見ながら日本で買い物しています。

11月11日の通販祭も去年と大きく違うのは、今回、スマホ上の取引額は7割近く(68%)になっていることです。ピーク時に9割にも達しているといわれています。ほんとんどの人はスマホから通販祭の商品を買っているとのことです。

日本に来る前には、スマホで「買いたいリスト」を確保しており、日本に来ている間には、スマホで買い物リストをみており、日本から中国に戻ったら、またスマホから日本商品を買っています。

中国の移り変わりは激しすぎます。日本のメディアが「株暴落だ」「景気減速だ」と中国の悪い話ばかりを繰り返している間に年の前半では、日本で中国人の爆買いが起きていて、年の後半では、この爆買いの勢いは、日本国内にとどまらず

あっという間に「越境ビジネス」の形で中国国内にも浸透しはじめています。

日本のドラッグストアやメーカーを含めて多くの業者が中国のネット通販に出店して日本の商品を直接、販売するようになりました。

そして中国人消費者側の立場からみると、それはなんと「スマホ」一つで完結しているのです!この状況を理解できないと、もはや今の時代についていけないのでしょう。             

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