訪日客数のトップの座を韓国人に譲ったが、逆に中国人の「爆買い」が再来。

2017-09-26

1)韓国からの訪日客が急増!!

●ここ数年は中国からの訪日客が最も多かったのですが、 今年に入って少し様相が変わってきました。いろいろと反日的なニュースが多いにも関わらず、韓国勢が増えています。月単位で見ると、2016年は1月と12月のみわずかに中国を上回っただけでしたが、今年は1~8月の8ヶ月のうち、3カ月でトップをとっています。また、今年は8月までの累計で、トップの中国をやや下回っていますが、前年増加率は42%と急拡大しており、中国の同9%を大きく上回っています。もしかして、インバウンド対象国は乗り換えの時期なんでしょうか?

2)中国人訪日客の増加率の減少にはお国の事情が・・・

●上記の中国側の要因は、先日の日経紙面でも掲載されていましたが、1部の地方都市で、急増する訪日客による日本への外貨流出を懸念し、旅行会社に訪日ツアーの取り扱いを制限していることが挙げられます。これと符合してか、観光庁発表の「訪日外国人消費動向調査」を見ると、「団体ツアーで来日した」との回答は、 2016年の36%から、今年の1~3月では32%、さらに4~6月では29%と、微減ではあるが低下傾向にあり、この制限との関係が伺われます。 かつての日本人の海外旅行同様に、中国人の海外旅行客も団体ツアーから、個人ツアー・自由旅行へと変化しつつありますが、上記のような背景で、この傾向に拍車がかかったと考えられます。

3)中国人向のビジネスの旨味はなくなった?

●では、たくさんの買い物をする団体ツアー客が減っているのなら、もはや中国人向のビジネスの旨味はなくなってきているのでしょうか。

 ・・・答えはノーです。いや、むしろ逆です!

 これは、中国人団体ツアー客が主にどのような人達で、どのような買い物をしているかを考えれば答えが見えてきます。 中国人団体ツアー客は、特徴としては、年配者で、初めて訪日する、地方の人、と、いうような人が多く、概ねこうした人たちは日本の買い物情報を 持っていないので、結局ツアーガイドのいうがままなのです。  ガイドさんが懇意にしている、言い方を変えると、リベートを貰えるようなお店に連れていかれ、そこで買い物をするケースがとても多いのです。 一方、個人・自由旅行で訪日するような若者であれば、誰もが使っているSNSを通じていろいろな買い物情報を持っていますから、ガイドが連れていくようなお店ではなく、 普段、日本人が買い物している百貨店やドラッグストアなどで、    日本人も普段買っている商品を中心に買い物をしています。このことから、個人・自由旅行で訪日する若者達の方が、団体ツアー客より、日本の既存ビジネスに潤いをもたらしていることが想像できます。

4)実際の買い物額で見ても、中国は引き続き断トツの一位

●同じ「訪日外国人消費動向調査」には、交通費、宿泊、食費等を除いた『買い物代』の金額を質問しています。中国人の一回の日本旅行の買い物代は、2016年では、一人当たりで平均12.5万円と、主要国の中では2位のロシアの6.9万円のほぼ倍になっていました。さらに今年の第2四半期(4~6月)では13.9万円に達しています。  参考までに、一人単価(第2四半期の結果を使用)に訪日人数を掛け算すると、大陸中国人の訪日買物総額は1~8月で約6,800億円に達し、2位の台湾の1,540億円の4倍以上になっており、昨年1年間の同買物総額に近い規模となっています。

⇒今年は、訪日中国人の数は微増にとどまっているにもかかわらず、買物の金額をみると、さながらの「爆買い」再来ともいえる勢いです。 この新しい爆買いは、個人ツアーや自由旅行で日本に来ている20、30代の若者が中心で、  観光、グルメなど旅行情報全般はSNS上のブロガーや友人・知人等からの口コミがほとんどです。そして、この口コミも純粋な自然発生的なものというより、その多くは、プッシュ型の販促施策であると言えます。日本には「いいものを作っていればいつか浸透して売れる」という考え方がありますが、中国市場においては当てはまりません。広すぎてとても時間がかかりますし、良いものの伝え方も生活様式・価値観が違えば少し変える必要もあるでしょう。また、成長著しいイケイケの社会では今の日本の商習慣では通じないことも少なくないようです。

 弊社は、中国のSNS上の影響力や拡散力のあるトレンドリーダーであるKOLと提携しながら、多くの日本商品の売上げ拡大に貢献しています。ご興味がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。

そして・・・10月6日に、日中投資促進機構が開催する第27回「中国ビジネス実務セミナー―神速で進化する中国ビジネスへの挑戦―」と題したセミナーにおいて、弊社代表の徐が、「越境EC・インバウンドそして内陸市場の成長―これぞ!今の中国人に売れるポイント」と、題しての講義も行います。今年の最新事例もご紹介いたします。まだわずか残席があるので、ぜひ下記リンクからご応募ください。

http://jcipo.org/investment/info/Post/794

*日中投資促進機構への直接のお申込みとなります。

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