中国では普通の勤め人でもお手伝いさんを雇えます~お手伝いさんのトイレタリー品の選択決定権は?~

2017-08-30

1、中国では普通の勤め人でもお手伝いさんを雇えます

●日本では「お手伝いさんを雇えるお家」には相当裕福なイメージがありますが、中国では、元々共働きが普通であることや、国内の経済格差の大きさなどから、わりと普通のお家でもお手伝いさんを雇っています。さらに、「第2子」を産む人が増えたり、所得水準の向上に伴い、お手伝いさんの市場はどんどん拡大しています。

●中国政府商務部2015年の「家政服務行業発展報告」によると、「家政市場」は、年間2兆元規模になっており、うち、お手伝いサービスを提供する民間企業の売り上げは、4,000億元に拡大し、市場全体は、年率2割増と言われています。

2、 地方出身者が中心。最近はフィリピンからの出稼ぎも増えている

●お手伝いさんは、「住み込みタイプ」もいますが、共働き世帯向けの「通い・時給タイプ」が多く、「鐘点工」(パートタイマーお手伝いさん)です。上海の例でみると、お手伝いさんの出身は、上海郊外の「奉賢」、「崇明島」から来ている人もいますが、多くは地方出身。比較的近場なら安徽省や江西省、遠くは西の新彊からもやってきています。

●また、生活の質の向上とともに、お手伝いさんに対しても質が重視されてきています。その1つとして、「フィリピン人のお手伝いさん」がかなりホットな話題となってます。フィリピンの労働大臣が先日、香港で講演し、毎年約20万人のフィリピン人が無免許で中国のお手伝いさんとして渡航しているという数字を発表しました。また、中国国内の報道でも、北京だけでも約10万人ものフィリピン人のお手伝いさんがいるとのことです。

●中国では、外国人のお手伝いさんに対し、全国的にはまだ就労許可を与えていませんが「全人代」においても、議論されているようで、この7月には、まず北京、上海、広州、アモイなど5都市において、フィリピン人お手伝いさんに就労許可を与えました。ご存じのとおり、フィリピンはお手伝いさんを海外に派遣して外貨を稼いでいます。お手伝いさんの養成専門学校まであって、かなり専門性の高いお手伝いさんが養成されています。今までの中国人のお手伝いさんに対して感じていたいろいろ不満もあってか、フィリピン人のお手伝いさんに対しては、その仕事の質に感動し、少しくらい費用が高くても、また多少コミュニケーションの障害があっても、「フィリピン人のお手伝いさんを使うことに決めた」というような発言がネットでもかなりアップされています。

3、トイレタリー用品はお手伝いさんが主体的に買うのか?

●では、現在、訪日時や越境ECでの購入も拡大している日本のトイレタリー商品のうち、特に、大きな市場である、台所や衣料用等の洗剤関連商品は、どのように買われているのでしょうか。次の点から、トイレタリー用品は、お手伝いさんではなく、雇い主自身が買っていると想像できます。特に、「住み込みタイプ」ではなく、多数派である、「通い・時給タイプ」で想像すると・・・

1)時給制なので、買い物より、掃除等に集中してやってもらいたいから

2)やはり時給制のパートタイマーにお金を渡しての買い物依頼はあまり望ましくないから

3)ネットで買うことが多く、雇い主が事前に買っておくことにたいした手間はないから

4)地方出身等の情報感度の低い人に、よい買物は期待できないから特に、外国人ならなおさら。

●他の商品やサービスの購入に際しても同様かと思われますが、要するに、お手伝いさんに対しても、《安かろう悪かろう》の規準が持たれつつあります。中国でも「一分銭、一分貨」(高くても安くても値段相応の価値) という同じことわざがあります。多少お金が多くかかっても、質のいい商品を使いたい、いいサービスを受けたいという傾向が少しずつあちこちで強まってきているようですね。

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