「東京マラソン」でみた中国人の情報発信の速さ

2016-03-03


【今回のトピックス】

★東京マラソン中継からみる中国人の日本情報発信の速さ

★3月23日弊社自主セミナー開催のお知らせ「中国最新SNS事情」

★ダイヤモンド・オンライン掲載

「爆買い対応で中国人に振り回される日本企業が取るべき正しい戦略」


★「東京マラソン」でみた中国人の情報発信の速さ

先週の日曜日(2月28日)には、東京マラソンが開催されました。皆さんは、東京マラソンが今、中国でどれほど人気なのかをご存じですか?

実は、私は数週間前に中国の友人から、「東京マラソンの時、ぜひ情報を教えてね」と言われていました。

先週日曜の朝、目が覚めると、いつもの通りスマホを開いて微信(ウェイシン=We Chat)を眺めていましたが、東京に住んでいる中国人が、走っているランナーの姿を次々とアップしているのが目に入りました。「なんだ、今日は東京マラソンなのか!」とはじめて気付いたのです。

「微信」は、日本人が使っているLineのようなものです。中国では今6億人以上も使っています。中国の友人から「東京マラソンの情報を教えてね」と頼まれたのも、微信を通じてからです。

中国の友人との約束を思い出した私は、急いで朝食を済ませて街に出かけました。

マラソンの現場は楽しかったです。個性的な格好をしているランナーは見飽きないです。外国からのランナーも多く、東京の街は国際的で明るくて楽しい。私は面白い格好をしたランナーを見かけてすぐスマホを持ち出してカメラに収め、ちょっとだけ編集をして、微信のタイムラインにアップしていました。

こうして、微信を通じて、中国の友人に対して、東京マラソンの中継をはじめたというわけです。それをみた友人からたちまちたくさんのコメントが寄せられていました。

東京マラソンはこんなに中国人に人気なら、もっとたくさんの中国人に「中継」しようと思いました。

実は、弊社は日本情報を発信する微信と微博のオフィシャルアカウントも運営しております。その名は「日本品質排行」、「日本の良い物ランキング」のような意味です。日本の良いモノや場所などを中国人に発信しています。

微信と微博のオフィシャルアカウントとは、Lineやツイッターの企業アカウントのようなものです。

微博(ウェイボー)は中国版のツイッター。写真に合わせて一言のつぶやきを添えば、すぐに情報発信ができます。早速、私は自分で撮った東京マラソンの写真をそこにもアップしました。まさに同時中継です。

それを見た友人から、「中国の有名なスポーツ系の微博オフィシャルアカウントが東京マラソンを画像やミニ映像などで実況中継しているよ」と教えてくれました。早速、それを見に行き、そこと相互リンクしました。

さすが有名なスポーツ系アカウント、相互リンクしてからたちまち、私が社の微博にアップした東京マラソン写真の閲読数(ページビュー)は、数十人から数百人、そしてついに1000人を超えました。

今、中国人に「日本の情報は主にどこから見ているか」と聞くと、10人中に8人や9人が「微信(ウェイシン)から見ている」と答えます。いうまでもなく、微信のオフィシャルアカウントからも発信すべきです。

実はマラソンが終わったその日の午後には、すでに東京マラソンの写真をいっぱい並べて発信する微信オフィシャルアカウントが出てきました。コスプレのような個性的な格好をしているランナーの写真は、中国の読者の目を引きたくさんの人に読まれていました。

ちょっとだけ気になったのは、私が自分の微信タイムラインにアップした画像が無断で使用されたことです。

今回の東京マラソンは、まさにSNSを通じて、中国に「実況中継」されたわけです。SNSは中国人同士が活発に議論する場でもありました。個性的なコスプレをしたランナーをみて「生真面目な日本人もこんなおもしろい一面がある」、

大きな話題を呼んだのです。

この一件からも、SNSの重要なポイントの一つは「即時性」であることが分かります。東京マラソンのことを一日だけでも発信が遅れましたら、もうほとんど読む人がいないです。

今は、SNSを使って中国人向けに情報を発信する日本企業は増えていますが、なかなか思うように進まない企業も少なくないでしょう。

色々な課題はあると思いますが、たとえば「これぞ!」といった皆の興味関心を引くタイミングをうまく掴めるかどうかも、一つ重要なポイントです。

ところで確認作業に時間を取られている間に、そのタイミングを逸してしまえば、発信効果はかなり低減しかねないです。

前回のメルマガでは、「日本人が資料を作っている間に、中国人がすでに3回も変わっている」と申し上げました。中国人の変化は速いが、即時性の高いSNSの変化はもっと激しいです。

日本企業において、情報の正確さを求めて作業を確認するプロセスが大事にされていますが、いかにSNSの特性に合わせてタイミングを上手につかむかということも重要な課題です。ルールを守りながら、変化の速い中国人に柔軟に対応できるかが、問われています。

東京マラソンを通じて、これを改めて痛感したわけです。

★中国のSNS事情を理解するため、3月24日(木)午後14時に、弊社の自主セミナー「中国のSNS(微信・微博)最新事情」を開催します。講師:中国市場戦略研究所 徐向東など

場所:東京都中央区日本橋久松町11番6号日本橋TSビル5階

参加費:受講料と資料代セットで1人あたり5000円

下記のメールにお申込みください:

info@cm-rc.com

(いつもの少人数でリラックスしたセミナーなのでお申込み者が多い場合、抽選とさせていただきます)。

★2月18日のダイヤモンド・オンラインに弊社に対する取材記事「爆買い対応で中国人に振り回される日本企業が取るべき正しい戦略」が掲載されました。下記、ぜひご覧ください。

http://diamond.jp/articles/-/86499

PS:日経から出版された弊社の著書「爆買い中国人に売る方法」が好評のためつい4月に台湾から中国語版が発売されることになりました。

http://a00.hm-f.jp/cc.php?t=M385519&c=5687&d=f346

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