「税関荷物検査強化」と「銀聯カード外貨上限規制」 爆買いへの影響は!?

2015-10-15

昨日、中国出張から戻ってきました。特に空港では厳しい荷物検査の様子はなかったです。最近、「中国の税関荷物検査強化」と「銀聯カード外貨上限規制」についての報道が多く、「日本での中国人爆買いに影響があるか」について各社から問い合わせが来ております。一つずつ答えると時間がかかるので、弊社が把握している情報を、メルマガの形でお伝えいたします。

■税関荷物検査強化

現状では、基本的には同じ商品をいっぱい詰め込でいなければ問題ないです。上海・北京のような超大都市の空港では、スーツケースを開けて検査することはほとんどありません。北の都市(大連・ハルビンなど)では昔から空港の検査は厳しいが、それでも極端のケースを除いて、基本的には大丈夫です。極端なケースとは、たとえば似たような商品をスーツケースいっぱい詰め込んでいたり、持ち運ぶ制限を超えた数の段ボールを運んでいたりするケースなどです。

こうした明らかに「商売をしている」と思われるような乗客は、たまに止められることがありますが、普通に海外旅行から帰国する乗客は止められることがほとんどないです。EMS(国際郵便)の場合も同様ですが、今更の話ではありません。以前から同じ宛先に連番で同じものを同時にたくさん送ると、止められて開封検査されることがよくあります。

もしたくさん送る必要があれば、同じ宛先に同じ物を同時にたくさん送ることを避ければ大丈夫です。中国人の間では、こうした話はすでに常識です。荷物を分けて送る、複数の住所に送る、SALや船便を使うなど、いろいろなやり方で対応しています。

■海外での銀聯カードの現金引き出し限度額が10万元に!

このニュースも騒がれていましたが、実は中国人訪日客の買物に影響がそれほどなさそうです。中国人訪日観光客は、どんなにいっぱい買物していても一回の滞在で10万元(190万円)を超える金額を使う人はあまりいません。よって、訪日中国人観光客にはさほど影響がないと思われます。並行輸入などの商売をする人は、実は銀聯カードで払っていません。彼らはすでに別の手段で日本円を大量に両替しているので10万元規制はほとんど影響しません。

たとえ観光客の中で、10万元超の大金を使う人がいるとしてもそんなに不自由なことでもないです。なぜなら、中国で作った銀行カードは皆、銀聯カードだからです。というのは、一人が複数枚の銀行カードを所持するのは当たり前です。さらに、それに加えて家族同伴で来日する場合は、家族分も併せて、複数枚の銀行カードを使えば規制を突破できるのです。銀聯使用の上限規制は、あくまでもマネーロンダリングを防ぐ為の中国政府の対策です。海外での買い物をする中国人を規制する政策ではないと思います。以上の理由によって、現段階でこの2つの政策が中国人の日本における「爆買い」に影響を与えることは、ないと思います。

中国人のネット上の口コミを一生懸命、検索しても、この事に関して「影響が出た」という書き込みは、一切見つからないです。(あればもう大騒ぎのはずです)今後の成り行きを見守っておくつもりですが、何かあれば随時ご報告申し上げます。ちなみに、日本のメディアは、「中国の株暴落などは中国人の海外でのショッピングに影を落としている」といった類のことを好んで報道しているが、こちらもほとんど影響がないとみておくべきでしょう。

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